「シャザム!」観ました。明快に最高でした。
ヒーローオリジン映画としてすごくよく出来てて、今年の映画ならキャプテン・マーベルと肩を並べるぐらい好きです。この二作はヒーロー映画全般の中でも上位に好きですね。
超能力を練習するシーンが最高に楽しい
本作のハイライトはやっぱり能力を手に入れた後の練習シーン。スマホで動画を撮ったり、色んなものを壊したりするのは出来ることが増えて行動がエスカレートしていくワクワク感があってとても楽しいです。ティーンを描いた物語にはこういうのがあると嬉しいです。
このあたり「クロニクル」というティーン超能力覚醒映画を思い出しました。
家族の愛に恵まれなかった者同士の合わせ鏡
本作がヒーローオリジン映画として優れていると感じるのはヒーローとヴィランの鏡像関係を明確に描いた点ですね。
両者ともに家族の愛に恵まれなかった者同士で、ボタンの掛け違いで悪と正義に分かれた(主人公ビリーが正義かと言われたらちょっと疑問符ですけど)というのが個人的ヒーローもののツボです。
富野アニメを思い出す「親がダメでも子は育つ」感
終盤のビリーと母親との展開には、ガンダムの富野由悠季監督の作品群を思い出しました。
特に連想したのは…私の超大好きなブレンパワードですね!
ブレンパワードは血のつながった親に親の役割を持ってもらえなかった人物たちが、アンチボディと呼ばれる生体機械と疑似的な親子関係を結ぶ物語なんですが、親に恵まれなかった人間が疑似家族によって救われる話はたまらなく刺さります。
選ばれちゃっただけのヤツがヒーローになる
本作における「ヒーローに選ばれし者」の選び方はあまりに杜撰で、「おい先代シャザム!もうちょっと上手にやれよ!可哀そうだろ!」とは思ったんですが、先代シャザムの意志を人格のあるものではなく運命のようなものとして捉え直すと見方がちょっとかわりました。
「自分に偶然何かの力が与えられたとして、それをすぐに悪く使おうとするのか、今は自分が正しいとは言い切れない存在でも、弱さに負けずに生きていけばいつか正しくなることができるかもしれない。」
突き詰めると選ばれちゃっただけのビリーがヒーロー足りえるのは、そういうテーマが裏にあってビリーがそれを実現したからなのだと思いました。
いやぁ、こういう話にすっかり弱くなってしまった…